【英語】岡山県立高校入試突破のために11月にやっておきたいこと~「4ステップを極める!」~

2024年1月25日岡山校,大元校,芳泉校,庭瀬校,御南校,倉敷校,大高校

中学3年生にとって、3月の県立高校入試まであと4か月というところまで来ました。この頃よく耳にする言葉は、「定期テストではよい点数がとれるのに、実力テストになると点数が低くなる」というものです。定期テストでは、教科書で習った英文がそのまま出題され、その文について答えるかと思います。「既に学習し、同じ英文が使用される」という点がポイントです。知っている英文が出題されるので、その範囲をきちんと勉強していれば解くことが出来ます。ところが、実力テストでは見たこともない文章が出題されます。この時点で皆さんはパニックになり、解けなくなってしまうのです。

塾に通っていると、主に文法を中心に学習します。去年から導入したすららで基本を学習し、KLCで確認問題や応用問題を解いていることでしょう。中学1年生の時から新しい文法事項を学ぶことで表現の幅が広がっていくので、文法問題は比較的よくできるようになりますが、英作文や長文問題を授業で扱うと、英語が得意な子でも手が止まってしまうことが多いようです。そこで、今回は県立高校入試の過去問題を例に挙げ、実力テストを含め入試で確実に得点を取るための勉強法を確認していきましょう。 まず、問題の構成を見てみましょう。英語は大問5問で構成されており、問1はリスニング、問2は資料・グラフの読み取り、問3は英作文、問4・問5は長文です。
 問1のリスニングは問題AからDの4問あり、音声が約10分流れます。基本的に問題AとBは短い文が2・3文読まれるだけです。しかも図が掲載されているので、比較的容易に応えることができます。例えば、問題Aの(1)には次のような図があります。

明らかに午前と午後の天気について話していることが想像できるので、morningやafternoon、sunnyやcloudy、rainyなどの単語に気をつければ良いのです。
 問題Cは短めの会話文なので、複雑な情報は含まれません。注意しなければいけないのは、問題Dです。ここでは、およそ1分間英文が読まれます。リスニングに慣れていない人は、すべての英文を聞き取ろうとしますが、読み手は聞き手が理解するのを待ってくれないため、それは不可能というものです。ではどうすれば良いのでしょうか。
 ヒントは、問題用紙にあります。下記のように、英文の前に日本語で問題Dの説明が読み上げられます。


     

この日本語が読み上げられている間に、(1)の英文に目を通しておきましょう。そうすると、これから(あ)とレストランについて話されることがわかりますね。しかも、“his restaurant”と書かれていることから、(あ)には人が入ることも見抜くことができるのです。このようにして、英文を聞きとる準備をしておくと、聞き取るべき単語が何であるのかだいたい見当がつきます。

 もちろん、英語が聞き取れなければ意味がありません。世の中にはリスニング用教材がたくさんありますが、使い方を間違えばリスニング力を上げることは出来ません。「英語をたくさん聞いていれば聞こえるようになる」というのも間違いです。「自分が発音できない単語は聞き取ることができない」ということを知ってください。そのため、いくらたくさん英語を聞いたとしても、聞き取ることができないままなのです。では、正しいリスニング力の上げ方をお教えしましょう。
 リスニング用教材には、CD(スマートフォンのアプリも含みます)などの音声教材とスクリプトと呼ばれる音声を文字にしたテキストがあります。リスニングと言われると音声教材のみに注目しがちですが、スクリプトを有効活用することが大切です。その両方を使って、次のように実践してみてください。

①まずスクリプトを読んでみましょう(黙読でも音読でもどちらでもOK)。
②スクリプトを見ながら音声を聞いてみましょう。
③音声に合わせてスクリプトを音読しましょう。
 最初はつまる箇所が多いと思いますが、スラスラ読めるまで繰り返してください。
④スクリプトを見ずに音声だけを聞きましょう。
 細部まで聞き取ることが出来たら次のリスニングに進みましょう。
 聞き取りにくい箇所が残っているなら、もう一度①〜③を繰り返して見ましょう。

この4つのステップを繰り返すだけで、必ずリスニング力を上げることが出来ます。また、正しい発音やアクセントのつけ方も身につけることができるので、英検などの二次試験の対策にもつながります。注意してほしいのは、毎日続けてほしいということです。私たち日本人は1日24時間ほぼ100%日本語で生活しています。つまり、私たちの耳は日本語仕様になっているということです。英語を聞き取るためには、私たちの耳を英語仕様にすることが大切です。長い時間かける必要はありません。だらだら聞くより、10分間集中して「聞いて話す」ほうが効果的です。
 次に、英作文について考えてみましょう。2020年3月に行われた入試の大問3に、次のような問題が出題されました。



 そして、次の空欄に4語以上の英語を書くように指示されます。

正解は We (call it Dorayaki in) Japanese. ですが、ここで気を付けなければいけないことがあります。それは “it” の存在です。Makoさんの発話では、 “it” に値する「それを」という言葉が書かれていません。そのため、よく We call Dorayaki in Japanese. と書いてしまう人が多いのです。ところが、「 “We call it Dorayaki in Japanese.” を日本語に直しなさい」と指示されると、あまり苦労することなく、「私たちは日本語でそれをどら焼きと呼びます」と訳すことができます。主語や日本語では省略される、あるいは省略されやすい言葉であっても、英語では書かなければいけない語があることを常に意識しましょう。同時に、Makoさんの発話を “It is called Dorayaki.” と書くこともできるので、書き換え表現も合わせて覚えていくとよいでしょう。

さて、英作文が苦手な原因は勉強方法にあります。皆さんの勉強は、主に「英語→日本語」の流れが中心になっているかと思います。確かに英語の構造や単語の意味を知るために重要ですが、同時に「日本語→英語」の練習が圧倒的に足りていないというこでもあります。書く力をつけるためには、正直「書く」しかありません。ただやみくもに書くのではなく、教科書や実力練成テキストの英文を使えばよいのです。次のようなやり方をおすすめします。
 例文に、I like to play tennis. があるとします。

①I like to play tennis. を自分で訳してみましょう。
②訳が合っているか答えを見て確認しましょう。
③英語の例文を見ずに、自分の訳を見ながら英語で書いてみましょう。
④例文を見て、正しく書けているか確認しましょう。
 正しく書けたら別の英文に挑戦してください。

ものすごく単純に思えるかもしれませんが、意外と “I like play tennis.” など “to” を抜かしてしまうかもしれませんし、スペルを間違えるかもしれません。繰り返しているうちにミスも減ってきますし、英文を書くということに抵抗を感じなくなってくるのでおすすめです。本当に慣れてくると、頭で考えなくても手が勝手に動くようになります。とにかく手を動かしましょう。
 最後に長文読解について考えてみましょう。長文が出来なければ、入試で高得点は期待できません。高校入試の問2・問4・問5は読解問題です。点数で考えると、約6割が読解問題で占められていることになります。高校入試は、平均60点程度になるように出題されますが、ここ4・5年は平均49~55点となっています。問題の難易度が上がったというよりは、みなさんの表現力や読解力の不足が影響していると考えられます。では、実際に県立高校入試の過去問題を確認してみましょう。
問2は、資料と英文を照らし合わせて読み取る問題です。



グラフと英文が出てくると、皆さんは「何を見たらいいのか」「どこを見たらいいのか」混乱しがちですが、右側にある英文の第1段落で、何についての文章なのかがはっきりと書かれています。今回の場合、「草食動物の睡眠時間が短い理由」について述べられています。本文に必ず答えが書かれているので、慌てずに文を読むことで十分正解することが出来るはずです。
 問4と問5は長文問題です。おそらく最後まで読み切ることができずに、とりあえず答えを書くという人も多いはずです。問4においては、注目してほしい部分があります。それは問題文です。いきなり英文を読み始める人がいますが、まずは必要な情報を手に入れることが大切です。実際に問題文をみてみましょう。


この問題文をきちんと読むだけで、英文の理解度はグッと上がってきます。問題文を適当に読んでいる人は意外と多いので、必ず書かれている情報に目を通しましょう。試験によっては問題文にヒントが書かれていない場合もあります。この場合、設問に目を通すのが1つのやり方ですが、間違った情報も含まれているので、全てを鵜呑みにすることは出来ません。そうなると、どれだけ英文読解力をつけているかで差が出てきます。
 リスニングと同じで、たくさん英文を読めば読解力が上がるというわけではありません。単語の意味がわからなければ、わからないものはわからないままです。そのため、語彙力を上げる必要があります。単語帳を買う必要はありません。教科書に出てくる単語を完璧に覚えればいいのです。
 入試問題には、学校で習っていない単語も出てきますが、その場合は必ず(注)がつきます。問5には次のように単語の(注)がついています。



難しい単語が出てきて焦るのではなく、まず(注)があるかどうかを確認しましょう。
 単語の覚え方にはいろいろありますが、一番おすすめなのは「正しく発音しながらスペルを書く」ということです。初めて英語を学んだ時、ローマ字と英単語のスペルの違いに戸惑ったかと思います。例えば、 “orange”というスペルを覚える際に「オランゲ」とローマ字読みをして覚えた人もいるのではないでしょうか。この覚え方は、最終的にニスニング力に直結してきます。先ほど、「発音できない単語を聞き取ることは出来ない」と教えましたね。正しく単語を覚えることは、読解力だけではなくリスニング力もあげることができるのです。単語の暗記の仕方について、次の4つのステップをおすすめします。

①単語の意味を確認しましょう。
②ローマ字読みではなく、単語の発音を確認しましょう。
 電子辞書の読み上げ機能やスマートフォンなどで単語を検索すると、発音も一緒に出てきます。
③実際に単語を発音してみましょう。
④単語を発音しながら、繰り返し書きましょう。

高校生に多いのですが、単語を見て覚える人がいます。この場合、英単語を見て意味を答えることは出来ますが、いざ書けと言われたときに書けないことがあります。高校入試は筆記試験なので、書けなければ通用しません。書けるようになるまでひたすら手を動かしましょう。 
 最後に、語彙力を十分につけたら、実際に文を読んでみましょう。みなさんがやりがちなのは、英文を日本語に訳すという無駄な作業です。本文を訳していると、問題を解く時間など到底足りません。速く確実に読むために、「英文の意味を前から順番に把握する」というやり方をおすすめします。例えば、問5の本文に次のような英文が出てきます。



これを日本語に訳すと、「例えば、いくつかの図書館には、彼らのために本を持って人々の家を訪問するボランティがいます。」となります。こんなにきれいに訳す必要はありません。「例えば、いくつかの図書館は持っています。ボランティアを。訪問する。人々の家を。本を持って。彼らのために。」でいいのです。大体の意味がわかれば良いのです。とにかくきれいに訳すという無駄な時間をなくし、本文の内容を把握して設問に答えていってほしいのです。また、わからない単語が出てきたからといって悩んではいけません。「わからない単語を本文の内容から推測しなさい」と言われるかもしれませんが、その時間も無駄です。文全体の内容把握の方がはるかに大切です。わからないところで考え込んで時間を無駄にしてしまうと、本来解けたはずの問題も時間切れで解けなかったなどという非常にもったいないことになってしまいます。まずは内容把握に徹して、設問に取り組みましょう。
 ここまで、英語の点数を上げるために皆さんがやるべきことを挙げました。1月から、高校入試過去問を実際に解いていきますが、11月と12月の2ヶ月間、だまされたと思ってリスニング・英作文・単語暗記の4ステップを実行してみてください。絶対に違いを感じることができます。「やる時間がない」「絶対無理」と否定的なことを考えている人は、成績は上がりません。素直にコツコツ取り組む人が一番伸びるのです。