保温の化学
金曜日に大きな地震がありました。
岡山でも、かなり大きな揺れを感じました。
怖い思いをした人も多かっただろうと思います。
大地震は、いつ来るか分かったものではありません。
万一の備えと心構えは、ぜひともしておきたいものです。
特にこれからの時期は、ぐんぐん気温も下がっていきます。
暖房設備がなくては、命にさえ関わります。
そこで今回は、効率のいい保温のしかたをご紹介します。
●熱が伝わりやすいもの
この世界に存在するさまざまな物質は、それぞれ「熱の伝わりやすさ」が違います。
これを「熱伝導率」といい、熱伝導率の高い物質に触れ合わせていると、高温のものは冷めやすくなり、低温のものは温まりやすくなります。
簡単な例を挙げてみましょう。
ご家庭の冷凍庫から、氷を2かけら取り出してください。
1つをまな板の上に、もう1つをアルミシンクの上に置いてみてください。
その後しばらく放置してみると……アルミの上に置いた氷のほうが、早く解けていくはずです。
これは、木の板よりもアルミのほうが熱伝導率が高いために起こる現象です。
●眠るとき、体の熱を逃がさないために
さて、では冬場、眠っている体を冷やしてしまう原因はなんでしょうか。
先ほどの例で想像がついたでしょうか?
そう、体が冷える元凶は床です。
地面や木材などは(金属ほどではないものの)熱伝導率が高く、体の熱をどんどん逃がしてしまいます。
そこで眠るとき大切なのは、体と床の間に、熱伝導率の低い物質を挟み込むことです。
では、身近にある物質で熱伝導率が低いものは……?
それは、空気です。
眠るときには、体の下に空気を挟み込むようにするのが最良です。
ベッドは、床から体を持ち上げて空気を挟み込むための装置と言えます。
ベッドがない状況なら、敷布団を2枚重ねるのも体を温めるために有効です。
また、意外なところではダンボールを下に敷くのも良いと言われています。
ダンボールは、ご存知のとおり、中にたくさんの空間を持っています。
この構造が空気の層を作ってくれるので、体が冷えるのを防いでくれるのです。
普段の生活では、敷布団の上に毛布を1枚敷くとよいでしょう。
羊毛も熱伝導率が低く、体の熱を保ってくれます。
いかがだったでしょうか。
今回は万一のときに役立つ知識として紹介しましたが、
受験生が効率よく安眠するためにも、きっと役立つだろうと思います。
これからの時期、寒くて眠りづらいというときには、ぜひ試してみてください。
大高校 杉本