リスニングを制する者はスピーキングも制する
2006年度からセンター試験にリスニングが導入されましたが、2020年度からセンター試験に代わってTOEICやTOEFL、IELTSといった一般試験を活用して受験者の英語能力を測るようになります。しかし、これらの試験は日本人を対象とした試験ではなく、世界の非英語圏の人を対象とした試験のため、現行のセンター試験のリスニングと比べると、難易度は比にならないほど上がってしまいます。
これらの試験では、リスニング・ライティング・リーディング・スピーキングの4技能が評価の対象になるので、ライティングとリーディングを中心とした日本の英語教育では歯が立たないことは明白でしょう。
中でも日本人が最も苦手とするスピーキング。実は、スピーキングはリスニングと切っても切り離せない存在なのです。そこで、今回はリスニングとスピーキングの両方を上達させるコツをお教えしましょう。
みなさんが、意外と気付いていない事実があります。それは、知らない単語は聞き取れないことと、単語の正しい発音を知らないと聞き取れないということです。なので、とりあえず英語を聞けばリスニングができるという大きな勘違いをしてしまうのです。
簡単な例を挙げてみましょう。初めて英語を勉強するとき、ローマ字と違って単語のスペルと実際の発音が異なるので、単語を暗記できないという生徒が多くいます。そして、orange のスペルを覚えるため「オランゲ」と覚えたり、「オゥレンジ」と単語の上に読み方を書いたりするのです。英語を習い始めたばかりの人や、英語の苦手な人はこの方法で一定の成果はあげられますが、リスニング力を高めるためにはこれでは不十分です。はっきり言いますね。ある程度英語の学習に慣れてきたら、この方法はやめてください。では、どうすればいいのでしょうか
リスニング対策のために、多くのリスニング用教材が市販されています。その中で最も活用すべきものは、スクリプトとCDです。スクリプトとは、「脚本」つまりCDが読み上げている文章や会話が文字で表されているものです。活用法は次の通りです。
①何も見ずにCDを聴く
すべての単語を聴き取る必要はありません。文章や会話の内容を断片的に聴き取るだけでOKです。
②スクリプトを見ながらCDを聴く
聞き取ることができなかった部分を確認しながら、音声を聞いてください。
③音読!!!
これが一番大切です。最初はスクリプトを見ながらで大丈夫なので、CDに合わせて何度も音読をしてください。注意して欲しいのは、CDの音声をそっくりまねすることを意識して、何度も音読することです。声に出すことで、英語の独特のリズムやアクセント、さらには正しい発音が身につきます。音読の効果は絶大です。繰り返しているうちに、スクリプトなしで文章が話せるようになるからです。
④知らない単語の確認をする
最後は、スクリプトに書かれた知らない単語を確認してください。音読をしてすでに正しい発音を覚えているので、スペルも意味も簡単に暗記できます。つまり、語彙力もアップするのです。
この4つのステップを繰り返してください。気がつくと、リスニング力の向上は当然のことながら、英語の言い回しや発音が身についているので、スピーキングも苦にならないはずです。ただ、勘違いして欲しくないのですが、1週間や2週間ではマスターできません。必ず継続して行ってください。1ヶ月もすれば、違いを実感することができます。そして、以前よりもできるようになったからといって、対策をストップしないでください。皆さんは、日本語を使って生活しています。つまり、英語を活用していません。人間の脳は、オーバーヒートしないために、必要のない情報(この場合は英語)を消去する働きがあります。もうお分かりですね。継続は力なりということです。
Don’t delay. Practice now. Excuses will only delay your improvement. Good luck!
大高校 香川