北海道とジャガイモ
ジャガイモ不足により、ポテトチップスが販売休止になるというニュースは、テレビや新聞などでも大きく報じられました。昨年8月に北海道を襲った台風による水害の影響で、原料のジャガイモが不足したためだそうですが、あらためて自然というものの大きさを痛感します。
現在、北海道はジャガイモの国内生産量の約80パーセントを占める日本最大の生産地です。では、なぜ北海道でジャガイモがこんなにも作られるようになったのでしょう?
もともと、ジャガイモの原産はアンデス山脈の寒冷な高地が原産です。そのジャガイモが日本に入ってきたのは、1598年のこと。長崎の出島にオランダ人が持ち込んだのが最初だといわれています。しかし、当時のジャガイモの味はとても淡白で、なかなか普及はしなかったようです。そんなジャガイモが再び注目されたのが明治時代。明治時代は、北海道に開拓使がおかれ開拓が始まりますが、厳しい北海道の自然環境の中で食料の確保が課題でした。そんな中で、寒冷で痩せた土地でも栽培しやすいジャガイモが注目されることになったのです。
その後、品種改良も進み、おいしさも生産性も向上し、北海道はジャガイモの一大産地となっていきました。そして、その時代から引き継いで現在では日本一の産地になっている、ということです。北海道でジャガイモの栽培が盛んな理由がきちんとあるのですね。
大元校 松尾