ナイロンの誕生日

岡山校

 今日2月28日は、世界初の合成繊維「ナイロン66」が発明された日です。

■繊維ってなに?

 人類がはるか古代から利用してきた天然繊維は、いずれも有機物の「小さな分子」が、たくさん結合して(くっついて)作られた「大きな分子」です。
 この「小さな分子」をモノマー(単量体)、「大きな分子」をポリマー(重合体)といい、その中でも特に大きな分子のことを「高分子」と呼びます。

 たとえば、綿や麻の主成分はセルロースという高分子で、グルコース(ブドウ糖)というモノマーからできています。
 絹やウールはタンパク質という高分子で、アミノ酸というモノマーからできているのです。(アミノ酸とひとくちに言っても、いろんな種類があるのですけれど……ひとまず今回は置いときましょう)

 グルコース(ブドウ糖)といえば、ジュースやラムネなどにも入っている甘い糖の一種です。ふだんみなさんの着ている服が、そんなものからできてるなんて、ちょっと驚きですよね。
 だからこそ、草食動物のヤギやヒツジなどは、草だけを食べて生きていくことができるわけです。

■合成繊維ナイロン

 さて、そうすると次のようなアイディアがわいてきませんか?

「綿や絹の繊維がモノマーをたくさん結合させたものであるなら、小さな分子を人工的に結合させれば、繊維を作り出すことができるのではないか?」

 このアイディアを実現させたのが、ナイロンの発明。ナイロン66は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンという、2種類のモノマーを交互に結合させた高分子です。

 ナイロンの発明のあと、世界中でさまざまな合成繊維が開発されていきました。それがどれほど便利に世の中で使われているかは、みなさんもよく知っていますよね。

 えっ、知らない?
 では、あなたが今着ている服のラベルを見てみてください。きっとひとつくらい、合成繊維の名前が見つかると思いますよ。

 ナイロンをはじめとする合成繊維については、高校生の化学で詳しく教わります。興味のあるかたは、ぜひ勉強してみてくださいね。

岡山校 杉本