人間の2つの心/とんでもない高みまで行くには
みなさんこんにちは。庭瀬校・前です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。
貴重な連休中にこのブログをのぞいてくれてありがとうございます。
そこでちょっと一緒に考えてみませんか。
人の心と、目標をはるかに超えていくには…というテーマです。
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人間は誰でも2つの心を持っています。
それは、利己心(りこしん)と利他心(りたしん)。
「利己心」:自分の利益を考える心。自分が優先。
「利他心」:他人の利益を考える心。人を思いやる心。
です。
そしてどちらの心も、使えば使うほど強く、太くなっていきます。
わがままな利己心を使えば使うほど、大きくなってしまい(どんどんわがままになり)、
逆に、
人のためを考え、思いやり、行動して、利他心を使うほど、やはりその利他心は大きくなっていくというのです。
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こんな話があります。老人が松の苗を植えていた。
そこを通りかかった君主が老人に年齢を尋ねた。
「八十五になります」
君主は笑った。
「その松が立派な木材になっても、自分では使えないだろうに」と。
八十五翁は言った。
「国を治めている人のお言葉とは思えませぬ。
私は自分のためではなく、子孫のために植えているのです」
君主は恥じ入るほかはなかった。
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↑ 江戸時代の儒学者・太宰春台(だざいしゅんだい)の著作『産語』(さんご)にある話です。
また、詩人の坂村真民さんの詩にこんなものがあります。
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『あとから来る者のために』
あとから来る者のために
田畑を耕し 種を用意しておくのだ
山を川を海を きれいにしておくのだ
ああ
あとから来る者のために
苦労をし 我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
なにかをしてゆくのだ
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「理解できる」という人が多いのではないでしょうか。
前にも書きましたが、私は以前ベトナムで7年ほど働き、最後の2年はフランス企業で働く中で、周辺各国の人々と交流させていただきましたが、その仕事を通して、こういった自分の利益を度外視した「人のために」「後世のために」という精神性は日本人ならではなのだと痛感しました。
(異国の文化の中では理解されない、あるいは優先順位が異なることが多かったです。価値観は国、人それぞれですからどちらが正しいという訳ではありません。ベトナム人は仕事よりも家族のことを優先する人が多かったです。これはこれでアリだと思います。)
↑フランス企業勤務時代@上海出張時。フランス人、中国人、ベトナム人そして日本人の私。価値観は混沌(カオス)。
「コーヒーはホットで濃いエスプレッソでなくちゃ」というフランス人。アイスコーヒーに甘いコンデンスミルク(練乳)を入れるのがスタンダードなベトナム人。ウーロン茶を好む中国人。多数派に合わせようとする日本人の私・・・。
こういう場では、異なる価値観を受け入れつつ上手く調整できるのがsmart(スマート)でした。
「日本人だけがなぜノーベル賞受賞者をあれほどまでに多数輩出するか?」
こう首をかしげる異国の論調を目にすることがあります。
ノーベル賞とは、ダイナマイトを開発して財をなしたノーベルさんが
「人類のために最大たる貢献をした人々に自分の築いた財を分配してほしい」
と1901年に創設された賞です。
実際、国別歴代受賞者数(下表)を見ると、欧米諸国の受賞者が圧倒的に多いのですが、その中で日本は7位の29人がノーベル賞を受賞しているそうです。
日本は開国(1858年)が遅く、文明や学問の発達が遅れたことや、人口比率などを考慮すると、かなり頑張っていると言えるのではないでしょうか。
ノーベル賞受賞者数TOP10
順位 | 国名 | 人数 |
第1位 | アメリカ | 411人 |
第2位 | イギリス | 137人 |
第3位 | ドイツ | 115人 |
第4位 | フランス | 75人 |
第5位 | スウェーデン | 34人 |
第6位 | ロシア(旧ソ連含む) | 30人 |
第7位 | 日本 | 29人 |
第8位 | カナダ | 27人 |
第9位 | スイス | 25人 |
第9位 | オーストリア | 25人 |
(出典:List of Nobel laureates by country – Wikipedia 2023年11月)
この理由は、日本人特有の
「利他(りた:他人の利益という発想)」
「経世済民(けいせいざいみん:世のため人のために自分のベストを尽くす)」
を重んじる精神性(利他性)がもたらしたものに他ならないように私は思います。
自分のことが先に立ち(利己)、あとからくる者のために松を植えられない人、田を耕せない人が世のため人のための功績をたたき出せる訳がありません。
そして戦争というのは、国同士の利己心(自分の利益優先の心)のぶつかりあいから起こります。
個人間のケンカやいざこざも同じです。自分と他人の利益や都合が完全一致することはほとんどありません。
ぶつかりあったとき、どちらも譲り合わないと争いは永遠に続いてしまいます。
次のテーマに続きます。
何のために勉強するのか?
多くの人が受験勉強を始めるきっかけは、自分のため、夢(目標や志望校合格も含む)を叶えるため・・・ではないでしょうか。きっかけはこれでよいと思います。しかし、「自分のため」だけではどこかで限界がくると思うのです。
自分(の利益や名誉)のために戦う人は自分のために休むもの。
損得で勉強を捉える傾向があるため目線も短期的になりやすい。
例えば、授業を休んで家でテスト勉強(一夜漬け)する人がいますが、目先のテストのための一夜漬けは、本質的には真の実力を育みません。多少よい結果が出たとしてもそれは一時的なものに過ぎない。
例えば、難関中学や難関高校を受験して見事合格を果たしたとします。
入学すると、そこは自分と同じくらい頑張ってきたレベルの人たちが集まっています。
その中で飛び抜ける(難関校の中で上位に行く)人というのは、
短期的な次のテストのためにあくせくしていないです。
長い目で見た自分の将来の目標を見据えて、そこに向かって頑張っていたり、
勉強中も、仲間の質問に答えてあげたりする姿勢をよく目にする気がします。
『長期的視点』と『利他の心』です。
<難関校合格>だけを目標にしていたり、利己心だけで勉強していると、たとえ合格したところで、そこで力が出なくなる、、、そんな人をしばしば見かけます。残念なことですが、そういう人はこの仕組みが分かっていない。
長期的な目線、利他心に下ざさえされた実直で不屈の努力こそが、難関校合格をはるか通り越え、とんでもない高みまで自分を運んでくれるのです。
きっとノーベル賞を受賞する人って、そのような心持ちの人ではないでしょうか。
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みなさんも、長い目で見て大きくどっしりと構えて、
目先や小手先に走ることなく、
利他心を太くし、長期的目線を忘れず、
日々植えて(積み重ねて)行きましょう。
それを続けていたら、この岡山から世界にはばたく人材となることでしょう。
いつも君たちを応援してくれ、お世話してくれているお父さん、お母さんに感謝の言葉を伝えるとかお手伝いをするとか、何か喜んでもらうことをして、よきゴールデンウィークをお過ごしくださいね。
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