岡山の適性検査とは?県立中高一貫校で問われる力と対策
「学校の成績は悪くないのに、適性検査の問題はまったく解けない」――岡山県立中高一貫校を考えるご家庭で、よく聞く声です。これは不思議なことではありません。適性検査は、いわゆる学力テストとは別物だからです。教科書の知識をそのまま問うのではなく、知識を使って考え、自分の言葉で説明する力が問われます。
この記事では、岡山県立中高一貫校の適性検査が実際に何を問うているのかを、岡山県教育委員会が公開している出題のねらいと、近年の過去問の傾向から整理します。
岡山県立中高一貫校とは(対象の4校)
岡山県には、中高一貫教育を行う県立校が4校あります。
これら4校の入学者選抜では、岡山県が作成する共通の適性検査が使われます。令和5年度入学者選抜からは、4校すべてが完全に共通の問題になりました(それ以前は学校ごとの独自問題がありました)。つまり、岡山操山中学校・岡山大安寺中等教育学校・倉敷天城中学校・津山中学校のいずれを志望していても、対策すべき適性検査の中身は同じです。なお、選抜には適性検査のほかに調査書などが用いられる場合があり、詳しい配点や手続きは各年度の募集要項でご確認ください。
適性検査は「Ⅰ」と「Ⅱ」の2つ
適性検査は、適性検査Ⅰと適性検査Ⅱの2部構成です。大まかに言うと、適性検査Ⅰは算数・理科の見方を使う問題、適性検査Ⅱは国語・社会の文章や資料を扱う問題です。
| 適性検査Ⅰ | 適性検査Ⅱ | |
|---|---|---|
| 主な内容 | 算数・理科系 (数・図形・実験・観察) | 国語・社会系 (文章・資料・作文) |
| 満点 | 70点 | 70点 |
| 検査時間 | 45分 | 45分 |
| 課題の数 | 3つ | 3つ |
合わせて140点満点です。ただし、教科ごとにきれいに区切られているわけではなく、1つの課題の中で複数の教科の見方が混ざって問われるのが大きな特徴です。
適性検査Ⅰ・Ⅱで問われる力
算数・理科の見方を使って考える
身のまわりの事象や自然の現象が題材になります。近年では、電気の回路を考える問題、月の見え方を判断する問題、水の蒸発やてこ・ふりこを扱う問題、規則性を見つける問題、割合や速さの問題、立体図形を多方向から見て考える問題などが出されています。
ポイントは、答えの数値や記号を出すだけで終わらないことです。「なぜそうなるのか」「どういう方法で求めたのか」を説明させる設問が中心です。知識を覚えているかではなく、その知識を使って筋道を立て、言葉にできるかが問われます。
文章・資料を読み、自分の考えを書く
文章や資料が題材になります。説明的な文章を読んで要約する問題、漢字・熟語の構成や言葉の言い換えを考える問題、そして200字程度で自分の考えを書く作文が、近年くり返し出されています。
社会を扱う課題では、地理・歴史・公民の資料を読み取って記述させる問題が出ます。近年のテーマは、産業と環境・持続可能な社会に関わるものが多く、資料から読み取ったことを関連づけて、自分の考えを表現する力が求められます。
過去問から見える、5つの一貫した特徴
近年の過去問を見比べると、出題の枠組みは非常に安定していて、次の5つの特徴が一貫しています。
- ほぼすべての設問で「説明」「記述」を求める。正解の数値や記号だけでなく、その理由や考え方、求め方を言葉にすることまで求められます。
- 教科の枠をまたぐ。1つの課題に算数と理科、あるいは国語と社会が混ざります。「算数の問題」「理科の問題」と区切って対策する発想では届きません。
- 日常や社会の場面に教科内容が埋め込まれている。買い物、ごみ処理、図書館、産地と気候など、教科書の問題の顔をしていません。
- 資料・グラフ・図の読み取りが全体を貫く。とくに「この資料からは分からないことはどれか」を理由とともに答える問題は、知識ではなく論理の力を測っています。
- 会話文の場面設定と、経験を引いた作文。登場人物の会話で場面が示され、作文では自分の経験をもとに、提案と理由を筋道立てて書く形式が定着しています。
普通のテストとの決定的な違い
適性検査の最大の特徴は、ほぼすべての設問が「説明」や「記述」を求めることです。普通のテストが「正しい答えを選ぶ・書く」のに対し、適性検査は「なぜその答えになるのかを、自分の言葉で説明する」ところまで求めます。正解にたどり着く力に加えて、その過程を言葉にして相手に伝える力が必要です。だから、知識を詰め込むだけの学習では届きにくいのです。
実際、学校の成績は良いお子さんでも、適性検査になると力を出しきれないことがあります。知識そのものは身についていても、それを「説明する」「文章にする」段階でつまずきやすいためです。覚えることと、覚えたことを使って考え、言葉にすることは、別の力なのです。
適性検査に必要な3つの力
整理すると、適性検査で問われるのは次の3つの力です。
- 読み取る力:長い文章・資料・グラフから、必要な情報を取り出す。
- 考える力:教科の枠をまたいで、筋道を立てて考える。
- 書いて説明する力:考えたことを、理由とともに自分の言葉で文章にする。
この3つは、どれも一夜漬けでは身につきません。日々の学習の中で、考え、書き、説明する経験を積み重ねていく必要があります。
この力は、どう育てるのか
「考えて、書いて、説明する」力は、暗記や反復だけでは育ちにくいものです。自分の頭で考えたことを言葉にし、書き、人に説明する――その経験の積み重ねが、適性検査で問われる力につながります。KLCセミナーが大切にしている対話型授業も、まさにこの「考え・書き・説明する」を軸にしています。対話型授業が適性検査の力とどうつながるかは、別の記事でくわしく紹介します。
適性検査で問われる「考えて説明する力」を、体験授業で。
KLCセミナーの授業では、考え・書き・説明する力を育てることを大切にしています。進路や学習のご相談(個別カウンセリング)も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
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