人は何のために勉強するのか?
人は一体、何のために勉強するのでしょうか?
みなさん、考えたことありますか? 勉強の目的。
これまでいくつかのクラスで子どもたちにこの質問をしてみました。
返ってくる答えはさまざまです。みなさんの「答え」はどんなものでしょうか?
小6、中3、高3は受験まであと4か月を切りました。
本来なら一心不乱に勉強に向きあい、自分を高めていなくてはならない時期ですが
「なんでこんなに苦労しなきゃいけないの?」
・・・と勉強の意味が見えなくなり、やる気を失っている人はいませんか?
結論から言うと、
この「何のために自分は勉強するのか?」が、感覚的に分かっている人と、その目的が分からず、しょうがなく勉強している人では、同じ量同じ時間、同じやり方で勉強しても、その効果は雲泥の差があります。
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◆レベル1の答え◆
生徒に聞いた時、よくある答えが「テストでいい点とるため」というものです。
確かに、直接的にはそうなんですけどね・・・。決して間違いじゃないです。でもそれは<最終目的>ではありません。なぜならテストでいい点とったら終わり…ではないでしょう?
実際、「テストでいい点とるために勉強しなさい!!」と言われ続けたらみなさんはどう感じるでしょうか。きっと「じゃあ、何のためにテストでいい点取らなきゃいけないの?」ってなるはずです。やる気だって続かないはずです。
つまり「テストでいい点とるため」というのは、とりあえずの目標にはなるかもしれませんが、勉強をする最終の目的、究極の目的にはなりえないということなんです。
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◆レベル2の答え◆
ほかに多い答えが、
- 「親がやれって言うから」「親に怒られるから」
- 「みんながやってるから」「自分だけやらないと恥ずかしいから」
- 「義務教育だから義務なんだよ」
といったところ。 これらに共通するのは<義務感>…。
「やらなきゃいけない」ってやつです。
「やらなきゃ…」・・・そう思えば思うほどに、手が全然進まない…そんな経験が、みなさんにもきっとあるはずです。人間が強制や義務感で動けるのはあくまで一時的で、高いパフォーマンスを長い期間持続させることは絶対に不可能です。
つまりこれら(やらなきゃいけないから…)も勉強する最終目的にはならないということです。
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◆レベル3の答え◆
少数派ですが、次の答えを口にする子がいます。
- 「志望校に合格するため」
- 「将来いい仕事、希望する仕事につくため」
こういう子は大抵がまぁまぁできる、成績中位〜上位者です。長期的な目的を設定して、それに向かって自発的に(自分から)勉強しているからです。
ただし、志望校合格だけを勉強の最終目的に設定するのは危険で、本質的には間違いです。なぜなら、合格したらその人にとって勉強の目的達成ということで、ここからが学びの本番というのに、もはや勉強するモチベーションはゼロになってしまう可能性が高いからです。(これは実話で、せっかく有名大学に入ったものの留年を重ねたり、色んな誘惑につかまって、果ては退学になってしまった人を何人も知っています)
<志望校合格>は、人生の学びの中でのあくまで通過点、途中の目標です。本来は次に述べる<勉強の最終目的>と合わせ持っているべきものだと思います。
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◆勉強の最終目的とは?◆
勉強の最終目的。それはズバリ、
自分を成長させ高め、<輝く自分>にするためです。
先日リオ・オリンピックがありました。
スポーツの世界と勉強の世界で共通するのは、自分を高める努力、修練を積み重ねることで、周囲の人からの応援や信頼、尊敬が得られ、ひいてはそれが勝利につながっていくということです。
みなさんもリオで表彰台に立った人たちの笑顔を見たでしょう?あの笑顔のウラには4年間またはそれ以上の努力=学びの日々があったはずです。見ている人たちはそれを感じるから、尊敬し応援するのです。
逆に、どんな世界でも、がんばらないナマケモノを尊敬する人も応援する人もいないし、そんな人が栄冠を得ることは決して無いのです。
同じことがみなさんの日常の世界でも起こります。
自分はどんな人になりたいですか?
人から応援され、尊敬される人になりたくないですか?
何より、自分で自分自身のことを信頼できる人間でありたいと思いませんか?
勉強の<真の目的><最終目的>はここにあります。
信頼できる自分を作るのは、自分しかいません。そのための行動は、いまこの瞬間からできます。
さあ、自分を高めて行きましょう!
自分で誇れる自分を作っていきましょう!
KLCセミナーは、みなさんがそういう「自分で自分を高めて輝く自分にしていける体質」を創っていく場です。<志望校合格>はその過程で当然果たすべき通過目標です。
この点をよーく、胸に刻んで机に向かって欲しいと思います。
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<補足>
学ぶ究極の目標を考える参考図書として、福沢諭吉の著書『学問のススメ』があります。
その冒頭には以下のように書かれています。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。(中略)
されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、
貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲泥の相違あるに似たるはなんぞや。
その次第はなはだ明らかなり。
賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。
人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。
要約しますと、
「天は人に上下を作らない。だから人は本来平等であるはずなのに、世の中を見渡すと賢い人も愚かな人もいて、お金持ちもいれば貧しい人もいる。この雲泥の差は一体どうして生じたのだろうか?答えは明白。学んだか学ばなかったかが、それを分けているのだ。」
ということです。
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みなさんにとってのオリンピックは目前!
それぞれがその舞台で誇れるメダルを手にし、その後も<輝く自分>を作っていけるような人間になっていくことをこれからも全力で応援します!!
倉敷校 前