紙の本
テクノロジーの進歩のおかげで、私たちは様々な情報をスマホやタブレットで簡単に検索し、手に入れることができるようになりました。ただ、その便利さが原因で、思考力の低下が見られるのも現実です。
以前、ある番組で、大学生にレポートを書かせるという実験をしていました。
本を読む習慣のある生徒は、レポートのテーマに関する本を図書館で借りて読み、客観的に物事を考えた上でレポートを執筆しました。反対に、本を読む習慣のない生徒は、インターネットで検索して、様々なページから気になった部分だけを切り取り、それらをつなぎ合わせてレポートとしたのです。当然、そのレポートの内容はめちゃくちゃで、論が成り立たないものとなりました。
実験の結果から、文章を書く能力は、子どもの頃からの読書習慣が関係しているとのことでした。
さて、ローマには、フランシスコ・ザビエルの腕の一部が納められたジェズ教会があります(なぜ腕の一部なのかを知りたい人はぜひ調べてみてください)。その近くに「フェルトリネッリ」 (la Feltrinelli) という本屋があり、中に入ると、5冊も6冊も本を腕に抱えながら更に何か良い本はないかと探している人を多く見ることができます。
イタリアでは、家族と過ごす時間を大切にします。夕食の後、今日の出来事を話し合ったり買ってきたばかりの本を一家団欒の場で読んだりします。必然的に本を読む機会があるのです。
電子書籍じゃダメなの?ってよく聞かれますが、タブレットには本以外の機能が備わっているので、本の内容に集中できる紙の本をおすすめします。紙の本をたくさん読んで、皆さんの知的好奇心を広げてください。
大高校 香川