いい話
突然ですが、このあいだ見た映画がすばらしくいい話だったので、紹介せずにはいられません。
タイトルは
「この世界の片隅に」。
舞台は1945年、広島。
そう、終戦と原爆投下を間近に控えたあの時代が舞台です。
主人公の少女「すず」さんは、当時軍港であった広島県呉市に嫁入りします。
そして始まる新婚生活。
しかし時代は折りしも大戦末期。日に日に切迫してくる食糧事情の中で、すずさんは様々な創意工夫を凝らして主婦業をこなしていきます。
野に咲くタンポポを料理してみたり……
少ないお米を膨らませて炊く方法を試してみたり……
戦中・戦後を描いた映画といえば、どうしても「悲惨」や「残酷」にスポットが当たりがちですが、この映画はそうではありません。
戦争の中でも、人々は毎日ごはんを食べなければならない。洗濯をしなければならない。お風呂にも入らなければならない。戦争が行われていても、そこにはあたりまえの「日常」がある。
その「日常」を、ほんわかふわふわした主人公の視点から描き出しています。
しかし、歴史を学んだ私たちは、すずさんたちを襲う「未来」を知っています。
いずれ、この「日常」が完膚なきまでに叩き潰されることを知っています。
はたして、8月6日の、8月15日の「その瞬間」が訪れたとき、この人々は何を思い、どう動くのだろうか。
そんなふうに案じながら見ているうちに、完全に映画の世界に引き込まれてしまう。そんな作品です。
県内では、イオンシネマ岡山でしか上映されていないのが残念ですが……
ぜひ、暇を見つけて見に行ってみてください。
最高の映画です。間違いありません!
大高校 杉本