記憶
中3生は実戦セミナーが始まり、中1中2の人たちも中間テストがもうじき控えています。受験やテストでは漢字や英単語、理科社会の語句、と覚えなければいけないことがたくさんあります。しかし、単語を覚えることはたいへんですね。そもそも記憶はどういう風にされるか知っていますか。
記憶は、その長さによって、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分けられます。
感覚記憶は、短い時間だけ保持される、その時だけの記憶です。覚えられる項目もわずか7個前後しかありません。記憶保持時間はわずか約20秒間です。目や耳などの感覚器官で受け取った感覚を、「とりあえず」「なんとなく」保持するための記憶、それが「感覚記憶」です。見るもの聞くもの全てを記憶…なんてことをしていたら凄まじい容量になってしまいますので、「特に注意を引かなかったもの」「特に重要でないと判断されたもの」の記憶は、数秒で消えてしまいます。
そして、膨大な量の情報が入っては消えていく感覚記憶の中で、意味がある情報だと「選択」された情報だけが短期記憶に送られます。
そうして選択された情報を意識的に扱い、記憶しておくための領域が「短期記憶」です。
例えば誰かに何かを言われたときに、忘れないように相手の言ったことを何度もつぶやいて情報を保とうとすることがありますよね?その時に情報を保持している領域が短期記憶です。
そういった記憶は繰り返しをちょっとでも中断したり、他に余計な情報が入ってしまったりするとサッパリと忘れてしまいがちですが、そのくらい短期記憶の容量・保持時間は小さく短いものです。
短期記憶で情報を、ある程度の時間、ある程度の質(強度)で記憶することができると、その情報は「長期記憶」に転送されます。…普通、ものごとを「記憶した」と言えるのは、この段階に入ってからです。
容量は非常に大きく、「ほぼ無制限に情報を溜め込める」と言う人さえいるほどです。
また、長期記憶の維持期間も「ほぼ半永久的」と言われています。
つまり英単語の暗記で考えると
感覚記憶 新しく覚える単語をみた。(20秒で忘れます)
短期記憶 その単語を20回書いて覚えた。(一日したら忘れます)
長期記憶 何回も書いた後に時間を空け、また書いた。さらに時間を空け何回も書いた。また時間がたったあと、また書いた。さらに……(半永久的に覚えています)
受験で使える記憶というのはいうまでもなく長期記憶です。長期記憶するには反復がとても大切です。KLCの先生も学校の先生も「復習をしろ」と耳にたこができるくらい言いますよね。何回も何回も復習しないと、結局しっかりと記憶できないからそう言うんです。
しっかりと復習を何回もして、長期記憶にしていきましょう。
大元校 井上