数学の効用④ 「存在しないことについては何を言っても正しい」

倉敷校

こんにちは。倉敷校の沓内(くつない)です。数学の効用は5月16日以来になりました。毎回楽しみにしている(はず?の)皆さん、続編が大変遅くなってしまいすみません(笑)。

さて、「存在しないことについて何を述べても正しい」という表題について、みなさんは納得できますか。違和感のある人も多いかと思いますが、実際の小学校のテストで出題された次の問題を考えてみて下さい。

問い:「次の図形の中で、対角線が直交するものを選びなさい。」

①正三角形  ②平行四辺形  ③台形  ④ひし形  ⑤正方形

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どうでしょうか。その小学校の先生は④と⑤を正解としたそうですが、実は出題した先生もびっくりの①も正解なのです!なぜなら、三角形にはもともと対角線というものがなく、ないものに関しては何をいっても正しい(つまり、直交するといってもよい)からです。そんな理屈はおかしいと思いますか?

ところが、私たちは無意識のうちにこの理屈を受け入れていたりします。例えば、A君が足の遅いB君に、「君が100mを5秒以内で走ったら僕は逆立ちして日本を一周するよ。」と言ったとします。これは、B君が100mを5秒以内で走れないことを前提とした発言で、実現不可能な仮定のもとで好きなことを言っていることになりますね。このように、数学の論理は普段の生活の中に(目立ちませんが)潜んでいるものなのです。みなさんも日常の中にかくれる数学の論理を探してみましょう。