自らに勝つ者は強し
こんにちは! 庭瀬校・前です。
この間の日曜日のこと。
朝7時から10時までのテニスの練習後に雨が強く降り出す。私は自転車で移動中。
午後のテニススクールまでの雨やどりにと、ネットで検索して近くにあるカフェに入りました。
これが本当にカフェ?と疑ってしまいそうな、しぶくてレトロ(むかし風)な外観。
口コミを見ると結構高評価だったからひょっとしたら有名店なのかも。
中に入るとお客さんで結構にぎわっていて、マスターが一人で忙しそうに料理していました。
「すみませんが座って少しお待ちいただけますか」
雨宿りには好都合。
「はい、大丈夫です」と答え、待つこと約15分。
コーヒー1杯で長居するのも申し訳ないので、「今日のケーキ」の中からリンゴのなんちゃら(忘れました)というケーキとアイスコーヒーをオーダー。
一口食べて、
「むむむ!」
「う、うまい。うますぎる!」
これはただごとではない。(笑)
マスターに聞いたら自分で朝から作ったものらしい。
「すみません…もう一つください」
2個目でもその美味しさは色褪せることがない。
別のケーキも食べてみたくなった。
「すみません、ガトーショコラもください」
やはり絶品。
マスター、笑顔。
生まれて初めて、ケーキ3個一気にいただきました。…恥
先週の田浦先生の飯テロ(?)に続いたみたいになりました。(笑)
ブログタイトルとは逆に、「全然自分を抑えられていないじゃん!」と言われそうですが、、、
さて、今回も一緒にいろいろ考えてみましょう。
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山本有三作の『路傍の石』(ろぼうの石。道に転がっている石ころという意味です)という作品の中で、次野先生が少年吾一(ごいち)に贈る言葉があります。
たったひとりしかない自分を
たった一度しかない一生を
ほんとうに生かさなかったら
人間、生まれてきたかいが
ないじゃないか
なんだか、ぐっときませんか。
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こんどは、ユニ・チャームという会社の創業者の高原慶一氏の言葉です。
①あまえ
②うぬぼれ
③おごり
④マンネリ
⑤やっかみ
経営者(社長さん、人の上に立つ人)はこの5つの心の病気に必ずかかる、とのこと。
ほとんど無一文でこの会社をはじめ、売り上げ二千億の企業に成長させていく過程で、高原氏は
「何度かいずれかの病気にかかり、そのたびに会社がおかしくなった」
と素直に吐露(告白)されていました。
経営者だけではないでしょう。
人はだれしも、その人生の途上でこの5つの病におかされることがあるのではないかと思います。
この心の病に勝つこと。それこそが、【自分に勝つ】ということです。
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老子(ろうし。紀元前500年ころの中国の聖人)の言葉。
『人に勝つ者は力あり。自らに勝つ者は強し』
他人と争ってこれを打ち負かす者は力があると言えるが、それは本当の強者ではない。
自分の心に打ち勝つことができる者こそ、真の強者である、という意味です。
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王陽明(おうようめい。15世紀ころの中国・明(みん)の儒学者)もまた、同じようなことを言っている。
『山中の賊(ぞく)を破るは易く(かんたんで)、心中の賊を破るのは難しい』
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ここまで紹介してきたように、自分の心に勝つことを表す言葉に、
克己(こっき)
というものがあります。 「おのれ(己、自分)にかつ(克つ)」ということです。
思えば、地球上の生き物の中で、人間だけが克己心(こっきしん)を授かっています。
その心があることによって、人間の進歩や向上はある。
そのことを肝に銘じたいものです。
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「自分の心に勝つ」……少々、重い話と受け止めた人もいるかもしれません。
誤解しないでほしいのですが、
いつもいつも自分の気持ちを押し殺して必死でがんばり続けろ!
…なんて言うつもりは毛頭ありません。
私自身、偉そうに言ってても、自分に勝てず利己心に身をゆだねてしまったこと、努力が足りず目標を達成できなかったこと、人を傷つけてしまったことが一体何度あったことか。数え切れません。
つい先日もケーキ3個一気食いしちゃうくらいですし……。
休むときは休んでいいし、遊ぶときは思いっきり遊んだらいい。
ただ、、、、
人間は誰でもミスをする。過ちをおかす。
そのことに対して反省は必要だ。
しかし反省して悔やんでもミスをした過去は変わらない。
だから
反省することでそれを次の機会、未来に生かすことが大切だ。
最後に、新井正明氏(住友生命保険の元名誉会長)の言葉を。
「暗いところばかり見つめている人間は、暗い運命を招き寄せることになるし、
いつも明るく明るくと考えている人間は、運命からも愛され、明るく幸せな人生を送ることができるだろう」
そうですね。やはり、明るく、前を向いていることは大事かなと思う。
その中で、ほんのちょっとでいいから、何か一つでいいから、昨日よりちょびっとでも成長できたら十分ではないでしょうか。そう思う。
高すぎる目標はいらない。そう、たった1ミリでもいい。
紹介した先人たちは誰も、「〇%成長しなきゃだめだ」とか、数値の目標は何も言っていない。
極端な話、テストで10点、20点上げるなんて、できたらそりゃあ素晴らしいが、
1点2点でも、前回から上がっていればそれでいいんだ。
ラッキーで達成できちゃうくらいでもいい。
それを続ければいいのだ。
それが、自分に勝つ…克己(こっき)だ。
明るく、前向きに、
そして、
昨日までの自分に
1ミリでも1ミクロンでも、
勝っていこう。
では! 庭瀬校 前