数学偏差値アップのための勉強法

2024年8月3日庭瀬校

こんにちは!庭瀬校・前です。

今日は特に高校生向けに数学偏差値の上げ方について書きます。
小中学生の受験生にも通じるところは多々ありますので、ご覧いただければ幸いです。


【偏差値】とは、受験における同級生の中での自分の相対位置を示す数値です。
  偏差値50で全体のちょうど真ん中。
  60だと上位20%~30%くらい、
  70になると、上位1~2%に当たります。


ある全国模試のデータで言うと、(データ元により各大学の偏差値は差異がありますのでご注意を)
【文系】(各大学の最上位学部)
  東大:84、京大:80、大阪大:75、岡大:63、香川:56

【理系】(医歯薬学部除く、理系最上位学部)
  東大:76、京大:73,大阪大:67、岡大:58、香川:52

といったところです。
偏差値だけが全てではありませんが、自分がどのレベルを目標とすればいいかの目安として重要な指標です。



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数学の偏差値(相対順位)を上げる

① 心構え
まず、「数学は暗記」と割り切ることから始めましょう。
「数学は理解が大事」「じっくり考えること」というアドバイスも決して間違いとは言わないですが、それは数学が得意な理系の人向け。文系の人は「まず暗記!」これを肝に銘じてください。

なぜなら暗記科目の理科や社会では覚えていないとテストで点数は取れませんよね。数学もまったく同じなんですよ。すでに学んだ基本公式を覚えていないのにテストに臨んでも太刀打ちできないわけで、まぁはっきり言うと<論外>ということです。
反復練習してサーブが入るようになっていないのにテニスの試合に出るみたいなものです。……勝てるわけない。惨敗です。

ただし、数学公式の覚え方は、英単語的な覚え方は適しません。(ただ公式だけを見て、書いて、声に出して読んで覚える・・・というやり方は×)
”使う練習”を伴わないと覚えられません。なので、演習しながら覚えるのが大事です。


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② 何を暗記するか?
高校数学の公式はだいたい文系で約600個、理系で約900個あります。
これを高2なら受験までの一年半の約500日、高3なら半年の180日で覚えて使えるようにしていくのです。

すでに数学偏差値が60オーバーの人は、その大半は覚えているかもしれません。でも人間は忘れる生き物ですので、受験までにもう一度見直して反復練習すべきです。大リーグの大谷選手が毎日ランニングやストレッチをするように反復は大事です。

「900個?うわ~……」と思うかもしれませんが、よく考えてください。英単語(数千)に比べるとずいぶん少ないですよ。
高2なら1日1~2個、高3なら1日3~5個です。しっかりと目標・計画を立てて日々進捗管理をすればできなくはないでしょう。

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③ いかに暗記していくか(注意点)
色々良い参考書はあります。何か一つ、メインとするものを決めましょう。
まずその基本例題だけをスラスラできるようにする。応用問題とか章末問題は(まだ)やらなくてもいいです。
塾の授業はそのバックアップ。塾ですでにやった問題なら苦労せずにできるはずですし、先に自分がやっている問題なら、それがきちんと身についているかの確認になります。

数ⅠA、数ⅡBの優先単元をまず終わらせる。この夏休みだけでも毎日やれば終わるはず。
たとえば数ⅠA優先単元は「2次関数」、「場合の数・確率」次に「三角比」(ほかは後回しでもいいです)
⇒これで偏差値60は十分狙えます。


基本例題をやる場合、じっくり時間をかけて考える必要はありません。
暗記するのですから、解けそうにない問題はさっさと下の解説を読んで覚えます。そこには公式も含まれます。

直後に今度は自力で解いていきます。覚えていなければ、チラ見(カンニング)してよいです。

時間をおいて週末に、解説を見ないでスラスラ解けるまで持っていく。とにかくじっくり考えるよりも演習量をこなすこと。ページ下部の類題は余裕があれば同様にやる。
スポーツの練習で1球ミスするたびに「何でミスしたのだろう?」とじっくり考えますか?どんどん打つでしょう?


これを目標、受験までの残り日数に応じて1日に2〜5問解いていく(夏休みなら一日5問目安)。見るだけではダメ。実際に手を動かして解くこと。

色々な教材に手を出して全部が中途半端になってしまうのが最大の愚。一つのものに絞り、徹底的にやりこんで覚えるのが結局は最短最速の道です。

これを2ヶ月やれば、9月模試の偏差値はドン!と上がるはずです。偏差値60後半に達することも十分可能です。
(共通テスト対策も目標別に「これをやれば!」というものがありますので、知りたい人は聞きにきてください。)


数年前の庭瀬校の生徒さんで、高校で陸上に打ち込み過ぎて、偏差値が超低空飛行になっていた高校3年生の女子がいました。彼女は目標を決めてからは毎日毎日自習にやってきてある黄色い参考書の基本例題を結局3周やりきり、志望する国立大学に見事合格を果たしました。
最初のころは「サイン(sinってなんですか?」みたいな目を覆いたくなるような質問をしていましたが、わからなくても解けなくてもめげることなく、コツコツコツコツがんばっていました。その意志力・メンタルの強さたるや、さすが陸上で全国レベルまで打ち込んだだけはあるなと感心させられました。



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④偏差値60オーバーへ
共通テスト向け、二次試験向け、それぞれやるべきことに今も昔も大きな差はありません。
志望大学によって60オーバー、さらにその上(70越え)を目指すなら扱う教材も一歩進んだものにするべきでしょうがこれも世の中には色々あります。
私は高校時代、友人たちと模試では偏差値70越えを目標にしていました。実際は越えたり越えなかったりでしたが。
ここで詳しく書くことは割愛します。相談はいつでもどうぞ。


要は実戦力とか試行力(手を動かす力)、、、暗記した公式、最適な解き方を素早く引き出す練習をワンランク難しい問題で積むことです。



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⑤成否のカギは(1)計算精度、(2)進捗管理、自己管理


(1)計算精度を上げる工夫
大問の最初で計算ミスしたためにそのあと全滅。大量得点を失った経験がある人……いますよね?
こういう人の多くは、ノートが汚いです。ひどい人は自分で自分の計算過程が読めない。そりゃあミスも出やすくなります。
途中計算はスペースをとって、素早く丁寧に書く。ノートはある意味ぜいたくに使う。これで大問の10~20点が得られるのです。今から初めてください。

↑九大の二次(数Ⅲ)解いてます。広く書く。


(2)進捗管理は難しい!
効率よく練習量を稼ぐことが成否を左右しますが、難しいのが進捗管理・自己管理です。
私も苦労しました。自己管理って難しいです。

人間はどうしても自分に対して甘さが出やすいので、次第に計画から遅れていったり、最悪「もういいや」となるかもしれません。とりわけ昔と違って現代は携帯やゲームという誘惑があふれています。

誘惑があっても自己管理できて計画通りに進められる人は成績が低い訳がありません。
でも大半の人は・・・・ですよね?

……なので、進捗管理には第三者を介在させるとよいでしょう。
私たち先生をうまく使ってください。目標とやることのノルマを作成、共有し、定期的に報告する体制にすると、日々の取り組みを強力に後押しすることができます。


疲れに任せて寝てしまったり携帯を手に取ってしまうのではなく、
「あ~…。先生に報告しなきゃいけないからやるしかないな~」
という軽い強制力が30日、60日・・・と積み重なるとものすごく大きな差を生み出せます。

「自己管理苦手かも・・・」と思う人はすぐに個別面談にきてください。

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⑥禁じ手!やってはいけない”目標ずらし”

企業経営でも投資の世界でも禁じ手とされているのが「目標ずらし」です。

ちょっとやってみて、大変だから「やっぱり目標・ノルマを少し下げよう」としてしまうことです。

これはクセになるんです。

一度やってしまうと、ちょっと苦しいとすぐにこれが頭をちらつきだします。そうするともう頑張れない。
最悪です。

だから、目標に基づいてノルマを決めるときは、慎重に、高すぎず、実現が十分可能なノルマにしなくてはなりません。
どうかお忘れなく。
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高1、高2、高3,それぞれの大学受験までの残り時間に応じて課題は異なりますが、いずれにせよ
①まず目標を決める。
②そして目標に基づいてやることを決める!
③あとはひたすら実戦、やり切る!
です。


では、手ごたえ満載の”暑い夏”を過ごしていきましょう!      庭瀬校 前

Knowing not knowing is the start to know." (知らないことを知ることが知るの始まり)です