生ぬるい味方

大高校

イタリアの思想家マキアヴェッリは、代表作「君主論」の中で、改革を行うことの困難を述べました。
曰く、改革者は「旧制度の恩恵にあずかるひと全てを敵に回さねばならない」うえに、「新制度の恩恵にあずかるはずのひとびとは生ぬるい味方にすぎない」。
なぜなら、「確かな形をとって経験が目のまえに姿を見せないかぎり、新しい事態を真実のものとは信じられない」から。

物事を始めるとき、その行為がどんな結果を生むのかは、誰にも分かりません。
もちろんある程度の予測はできるでしょうが、不測の事態はいつだって起こるものですし、そもそも最初の予測が正しいなんて保証はどこにもないのです。

勉強だって同じこと。
合格を目指して勉強を始めたとしても、それがほんとうに合格に繋がるのか、先は見えない。
先が見えねば不安になる。
不安になれば続ける気力がうせていく。
まさに自分自身こそが「生ぬるい味方」です。

マキアヴェッリは、他者の援護に頼るのではなく、自分自身の力を強く持つことを薦めています。
それこそが、「生ぬるい味方」を制して物事を成し遂げるための必要条件であると。
受験生のみなさんが、自分自身に打ち勝って、目的を果たすことができますように。

大高校 香川