数学の効用③「計算の工夫」

2016年5月21日倉敷校

こんにちは。倉敷校のくつないです。

やっと過ごしやすい季節になってきました。温度が変化しやすい時期でもあるので、皆さんかぜをひかないよう気をつけて下さい。

今回は、「式は正しく立てられたけれど計算が大変・・・(汗)」という時に役に立つ計算の工夫を紹介したいと思います。本来は小学生の時にしっかりと身につけておきたいものを中心に触れますので、中学生や高校生で知らないかったという人がいればこの機会に是非使えるようにして下さい。

① 分配法則とその逆

小学生の計算の工夫でもっとも重要だと言えるでしょう。なんとなく知っている人は多いと思いますが、きちんと使える人は意外と少ないです。例えば、77×46+77×54 のような式では77×(46+54)=77×100=7700 と正しく計算できても、77×46+54×77になったり、77×12+34×77+54×77になったりするとできなくなるという人がいます。かけ算の77が共通なので、「結局77を何回足しているかという見方をすれば、この3つの式の答えが同じになるのは明らかですね。また、小学生のときにはできていても、中学生の文字式になると出来なくなる人もいます。この例ではたまたま77が共通の数でしたが、共通の数であれば77でなくても良いわけで、その共通の数が分かっていなくてもよいはずです。とすれば、文字式でも同じように分配法則(とその逆)は使えることになりますね。ですので、中学では文字を使って、a×b+a×c=a×(b+c) となるわけです。さらに、中学3年生では展開の公式を習うのですが、展開の公式は全て分配法則で計算できることを理解すればつまずくところはありません。小学生で分配法則をきちんと理解すれば、高校1年生の展開と因数分解まで役立つ有難い法則であることを肝に銘じておいて下さい。

② 25×4=100 , 125×8=1000

もうひとつ、小学生の間に是非知っておいて欲しい計算を2つあげました。小学生や中学生が計算しているのを見ていると、上の2つの計算をがんばって筆算でしている人を見かけますが、結果がきれいな計算には素直に感動して次から使えるようにして下さい。特に上の2つはよく見かけますし、まったく同じでなくても上の2つの計算が役立つケースは多いです。例をあげますと、                                            75×4=(3×25)×4=3×(25×4)=3×100=300,

0.75×12=75×12÷100=(3×25)×(4×3)÷100=3×3×(25×4)÷100=9×100÷100=9,     

375×56=(125×3)×(8×7)=3×(125×8)×7=21×1000=21000, などなど

これらは、どれも筆算が必要ないものばかりですね。

①,②のように、算数・数学は、『いかに面倒をさけるか』を追求するところに得点アップの秘訣があることをいつも頭に入れておいて下さい。